【ストレッチの重要性】ケガをしにくい柔らかい身体を手に入れよう!
2021/12/23
トレーニングによって誰でも柔らかな体になれる
こんにちは♪今週末からまた寒波が到来するようです。。。
寒いと体が縮こまり、防寒のため厚着をしてますます体の動きが制限されて凝り固まってしまいます。
本日は、そんな時こそ行ってほしい『ストレッチ』のお話をしていきたいと思います。
新体操の選手やヨガの先生はとても身体が柔らかくびっくりしますよね。
身体が硬い人と柔らかい人では一体何が違うのでしょうか?
よく「お酢をたくさん飲めば身体がやわらかくなる。」などと言われていますが、果たして本当なのでしょうか?その答え…はこのブログに隠されています。
まず皆さんはまっすぐ立った状態から前屈をして、地面に手が届きますか?手の平がべったりつく方もいれば、指先すら届かない方もいらっしゃると思います。
一般的には身体が硬いとケガをしやすいと言われ、健康的な生活を送るためにもある程度の柔軟性は必要とされています。
そして運動学の研究から「トレーニングを行えば誰でも身体は柔らかくなる」ことがわかっています。
筋肉の動く範囲は神経が決める
身体の柔軟性は、関節が動く範囲の広さと、動きやすさ(抵抗の大きさ)に置き換えることができます。すなわち、広い範囲に、少ない抵抗で簡単に関節が動くほど柔軟性が高いという事です。
柔軟性を決める要素は大きく分けて3つあります。
1つ目は《関節の構造》です。
関節が動く範囲の制限は体の構造的にある程度決まっています。基本的には皆同じですが、多少個人差があります。
2つ目は《結合組織の特性》です。
結合組織とは筋肉や腱、靭帯など、関節の構造を支えたり、関節を動かしたりする組織のことです。年齢や性別、運動量などで、伸びやすさ(伸展性)や元に戻りやすさ(弾性)が異なり、柔軟性を左右します。また過度のトレーニングなどにより大きくなりすぎた筋肉や脂肪も関節の動きを邪魔して柔軟性を阻害してしまいます。
3つめは《神経の制御》です。
私たちは神経を通して筋肉に命令を出し、身体を動かいしています。例えば膝を曲げるときは、太ももの裏側の筋肉が縮み、表側の筋肉が伸びるように神経から命令が出ます。その際に必要以上に伸び縮みをしてしまって筋肉や腱を痛めることがないように、神経は筋肉や腱が動く強さや長さを制限しています。
女性ホルモンで体がやわらかくなる?
結合組織の特性は性別や年齢による違いが大きく、その違いが全身の柔軟性の違いとして現れます。
一般的に男性より女性の方が、そして大人より子供の方が体が柔らかくなっています。
女性は男性より結合組織が伸びやすく、エストラジオールという女性ホルモンの濃度が体内で高くなると体の柔軟性が高くなるという結果が出ています。
また、年齢を重ねるごとに結合組織の中のコラーゲン同士の結合が複雑になっていきます。そうすると結合組織が伸びにくくなってしまいます。これが年齢とともに柔軟性が低下する原因の一つだと考えられています。
反動をつけてしまうと逆効果
体を柔らかくするには、一般的にストレッチが有効です。ストレッチを繰り返すことにより結合組織の特性が変化し、神経による動きの制限もゆるめられます。しかしその方法を間違えると、柔軟性向上を妨げてしまうことがあるといいます。
筋肉には伸ばされた長さと腱に勝っている力をはかる神経センサーがついています。ストレッチに際に、反動をつけたり、無理に引っ張ったりして筋肉が急激にひきのばされると、センサーが筋断裂を防ぐための“緊急安全装置”として働きます。その結果筋肉が伸びる長さが強く制限されてしまうのです。
これを「伸張反射」といいます。
逆に静かにゆっくりと伸ばすと、筋肉や腱にかかる負担を和らげるために「もう少し伸ばすべし」と命令が出ます。
これを「ゴルジ腱反射」といいます。
この性質を理解して伸張反射を防ぎ、ゴルジ腱反射を起こすようなストレッチが効率よく柔軟性を向上するポイントです。
伸びるはずの筋肉が緊張でちぢんでしまう!?
神経の制御は「動きの柔らかさ」にも関係しています。たとえば、野球の練習の時はしなやかなフォームでコントロールの良かったピッチャーが、いざ試合となると暴投してしまうことがあります。これは緊張で体がかたくなったためなのです。
関節を動かす筋肉は対になっており、一方がちぢめば一方はのびるのが普通ですが、緊張により、神経が両方の筋肉を縮めようとする『共縮』という現象がおきてしまうことが原因の一つです。共縮は、強い力がかかって筋断裂がおこる「肉離れ」の原因にもなります。
柔軟性の影響は全身におよぶ!?
冒頭でも、体がかたいとケガをしやすいと言いましたが、体に及ぶ影響はそれだけでは無いことがわかってきています。
体の柔軟性は、運動時以外にも様々な面で影響します。
例えば体の柔軟性が低いと動脈硬化にかかるリスクが高いことが明らかになってきました。また体が柔らかいと痩せやすい可能性が高いそうです。
これはまだ研究段階なのですが、柔軟性が高いという事は、腱などが柔らかく、関節の可動域が大きいという事を意味します。そのため、柔軟性が高い人では、ウォーキングやランニングなどの運動中に、関節が必要以上に曲がってしまいそうになるのだそうです。そこで関連する筋肉が収縮することによってこの曲がりすぎを抑えるような動きをすると考えられます。簡単に言うと、関節を動き過ぎないように力を入れて止めているようなイメージです。その分のエネルギーを多く使っているという事になります。なので、体が硬い人に比べて同じ強度の運動をしても柔らかい人の方がエネルギーを多く消費していることになるのだそうです。