【万病のもと】冷え性の改善方法
2022/01/15
万病のもとともいえる辛い「冷え性」の改善法
こんにちは♪
年が明けて、1月も半ばに差し掛かりました。1年のうちで一番気温が低い時期に突入しましたね…。
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いつも手足が冷えて辛い、体が温まりにくいといった「冷え性」の方には特に辛い季節です。
冷え性は特に女性に多く、全体の約8割の方が冷え性に悩まされているというデータもあります。
そこで今日は『万病のもと』といっても過言ではない【冷え性】について、原因や改善方法などをお話していきたいと思います。
「冷え性」と「冷え症」のちがいとは?
「私冷えしょうなんです…」とはよく聞く言葉です。しかし「冷えしょう」には2種類の漢字が使われています。
「冷え性」という字を使い場合は、検査で明らかな異常が見られないにも関わらず、手足が冷える、ゾクゾクと寒いなどの冷えの症状が認められ、明らかな原因のない冷えを、西洋医学では“冷え性”の体質として扱われます。
それに対して「冷え症」は東洋医学的な考えとして治療が必要な場合に使われます。西洋医学では病気とまでは捉えられませんが、東洋医学的には「冷え」は解決すべき問題です。「冷え症」と診断される場合でも、手足のみが冷える場合、上半身はのぼせて下半身だけが冷える場合、お腹だけが冷える場合、全身が冷える場合など、症状が現れる部位は様々です。
それぞれの冷えの原因が異なりますので、東洋医学にも精通した医師や漢方医、鍼灸師と相談しながら治療を行うことが重要です。
では、「冷え性」はなぜ起こるのでしょうか?どのような生活をすれば良いかなども含めてご紹介していきます。
冷え性はなぜ起こる?
女性は8割、男性でも4割以上の人が冷え性の自覚があるそうです。
その理由は大きく分けて4つあります。
①筋肉量が少ない。
筋肉は人体最大の熱産生器官です。さらに筋肉が伸縮することでポンプのように血液を送り出すので、体の隅々まで血液を循環させて体を温めます。
女性はもともと男性と比べて筋肉量が少ないため、作り出される熱量が少ないうえに、ポンプの力が弱いため、体が冷えやすいという事になります。
体の末端まで血液が行きにくいので特に手足が冷えやすくなってしまいます。
②ホルモンバランスが乱れやすい。
女性は男性にはない月経、出産、閉経といったライフステージの変化があり、ホルモンバランスが乱れやすい傾向にあります。ホルモンバランスが乱れると、体温調整をしている自律神経が影響をうけて、血液の循環が悪くなり冷え性になりやすいのです。
人によって感じ方は様々ですが、「生理中は体が冷えやすい」「冷えにより生理痛がひどくなる」という方もいます。また、女性ホルモンの量がぐんと減る更年期には、冷えがひどくなるという方が多くいらっしゃいます。
③ストレスの影響
社会で生活していくうえで、ストレスはゼロにはできません。仕事や家事などに追われてイライラするかもしれませんし、夏や冬には屋内と屋外の気温の差が極端に激しく、それも体にとってストレスになります。
ストレスを感じると、誰でも自律神経のバランスを崩しやすくなります。自律神経は、リラックス状態で優位になる「副交感神経」と緊張状態で優位になる「交感神経」の2つバランスをとって、体の機能を調節しています。
しかしストレス過多の状態が続くと「交感神経」優位の状態が長くなり、体は緊張しっぱなし。末梢血管も収縮を続けて血行不良を招き、冷えた状態になってしまします。
④生活習慣の乱れ
現代人の体温は、昼夜逆転の生活や、朝食抜き、食事の時間がバラバラなど、生活習慣の乱れによって低下していると言われています。
もともと体温は、早朝が最低で、起床して朝食をとると急激に上がり、昼過ぎから夕方までゆるやかに上昇した後、夜間に向かって下がっていくものです。
しかし、乱れた生活習慣は自律神経のバランスを乱し、体温調節機能が乱れて冷え性を招きます。
また、現代人は夏場はエアコンがきいた室内で冷たいものを食べ、冬場は暖かい室内でぬくぬくと、体の体温調節機能を使わない生活が主流です。そのため、もともと備わっていた体温調節機能が低下している人が増えています。
またファッション性が優先され、寒い日でも薄着をし、手首、足首、首といった冷えやすいポイントをカバーしていないのも冷え性を悪化させる原因になります。
冷え性の症状について
人によって冷えの感じ方は様々です。
軽度であれば「冷えを感じる」という程度ですが、中度になってくると冷えている箇所がこわばり始めます。
重度になると冷えの個所にしびれを感じるように。ここまで冷えてしまうと、日常生活に支障が起きる「冷え症」と思われます。
冷えは血流の流れが悪くなるために起こるので、便秘や下痢、肌荒れ、くすみ、頭痛、腰痛、じんましん、アトピー、膀胱炎、トイレが近いなどの症状を誘発することにもなります。
また、重篤な病気で体が冷えることもありますので、「冷えは病気じゃない」と思わず、不安な場合は早めの受診をおすすめします。
冷え症の改善策
冷え症改善の第一歩はまず自分の生活を見直すことです。
●冷たい飲み物や食べ物を摂っていませんか?
飲み物は必ず常温以上のものを摂ることです。寝起きや食前に、白湯をコップ一杯飲むのもおすすめです。内臓が活性化することで体が芯から温まります。
●糖質たっぷりのお菓子やドリンクをたくさん摂っていませんか?
中年以降に起こる冷え症は血管が縮まり血行が悪くなっている状態。つまり動脈硬化の表れの可能性があります。糖質を摂りすぎて、血中の血糖値や中性脂肪が増えると血管は詰まりやすくなるので、糖質コントロールをしながら、熱を生産するたんぱく質や質の良い脂質を摂ることです。
●階段を使わず、エスカレーターやエレベーターを使っていませんか?
体の熱を作るのは筋肉ですから、階段を利用するなど、出来るだけ日常生活でも身体を動かすようにしましょう。
まずこれらを生活に取り入れてみてください☆
栄養をバランスよく摂る!
冷え症の改善策として最も有効なのが、バランスの良い食事をしっかり摂ることです。
食事で摂ったエネルギーの8割は熱となります。これを「食事誘発性熱産生」といいます。
人間の身体で行っている3種類の代謝「活動代謝」「食事誘発性熱産生」「基礎代謝」の一つです。
食事をすると、栄養素の一部は体熱となって消費します。食事の後で体温が上がるのはこのためです。
この消費するエネルギーはたんぱく質が最も多く、たんぱく質のみを摂取した時には摂取エネルギーの30%、糖質のみで約6%、脂質のみの場合は約4パーセントで、通常の食事はこれら三大栄養素が混ざっているので約10%になると言われています。
たんぱく質を多く含む食品は肉、魚、卵、チーズ、大豆製品などです。バランスのよい食事をベースに、毎日必ずたんぱく質を摂取するように心がけましょう。
1日に動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の両方を摂ることが推奨されています。
またよく噛んで食べることで、食事誘発性熱産生は高くなりますので、一口30回を目安に、よく噛んで食べましょう。
胃腸の弱い冷え性のかたは特におすすめです。
冷え症の改善によい食事のポイント
食事は朝食を抜かずに、三食決まった時間に摂ることで自律神経のバランスも整います。
朝は食欲がないという方は、自分がおいしいと感じる温度の白湯をコップ一杯飲みましょう。内臓が温まって食欲が出てきます。
口当たりの良いものからはじめてみると、少しづつ食べられるようになってきます。冷たいメニューは避けて暖かいスープやおみそ汁などにしましょう。
夕食を食べすぎたり、夕食の時間が遅すぎて、朝に食欲が出ない場合もあります。
しかし、食事誘発性熱産生が一番高いのは朝なので夕食のボリュームや食べる時間帯を調整して、朝食をおいしく食べられる生活リズムを目指しましょう。
また、生姜や根菜類は体を温める食材なので積極的にメニューに取り入れてみてください。
気候に合わせた衣類を着る
ファッション性ばかりを優先して洋服を選んでいませんか?
最近は夏なのに冷房が効いて涼しかったり、冬でも暖房が効いていて暖かいという環境が当たり前です。外気温との差が激しいので体がついていけないという官庁がたくさんあります。
夏でも薄手のカーディガンやストールを常備しておき、職場などの温度が低すぎる場合はレッグウォーマーで足首を温めるなど、冷えを防ぐための衣類を準備しておきましょう。
また、夏でも薄手で吸湿性の良い下着を1枚着ておくと、汗を吸い取り、冷えを防いでくれます。
吸湿性の良い下着は冬場は冷気が直接肌に触れるのを防ぎ、体温をキープしてくれます。特に、お腹周りが暖かいと交感神経の緊張がゆるみ、体の末端の血流が増えて暖かくなります。
きついジーンズやストッキング、靴下など体を締め付けるものは血流を妨げて冷えのもととなります。できるだけ体を締め付けない衣類を選ぶことも大切です。
きつめの靴も、足の血流が悪くなり冷え性は改善できません。冷え性改善のコツを踏まえたうえで
筋肉をつける
体を鍛えて筋肉を増やすことは、冷え性改善にとても有効です。
体の中で一番大きな筋肉は「太もも」スクワットは太ももの前後、ふくらはぎを鍛えることができるので「トイレに行くたびにスクワット10回」など、マイルールを作り生活の中に組み込むのがおすすめです。
また、ふくらはぎは末端の血液を心臓に戻すポンプ作用をになっています。足先が特に冷える人は、かかとの上下運動を心がけましょう。
ウォーキングなどの有酸素運動も効果的です。運動が苦手な人は買い物に行くときは歩幅を大きく早足にしたり、階段を使うなどを心がけるだけでも筋肉の刺激になります。
入浴で体を温める
冷え性の改善には、夏場でも40~42°のお湯に全身つかる習慣をつけましょう。
時間は5分でもいいので肩までしっかりつかるようにします。ぬるめのお湯で30分ほどつかる半身浴も暖かくて気持ちいいものですが、上半身が冷えるため冷え症改善にはおススメできません。
短時間で、しっかり体を内臓の芯から温めて筋肉のコリをほぐし、全身の血流を促しましょう。
なかなか入浴する時間の無い人は、浴槽に浅くお湯をはって、足湯だけでも行うと、全身が暖かくなります。洗面所の新区にお湯をいれて、手からひじまでを温める「ひじ湯」も簡単に体を温めることができます。