【何が違うの?】突然襲い掛かる肩の痛み。四十肩、五十肩の違いとは?
2022/01/27
こんにちは♪
早いもので、一月も終盤になりました。年末年始とバタバタ続きであっという間に時間が過ぎてしまった方も多いのではないでしょうか?
バタバタ忙しくしているときは気づきにくいですが、ほっと一息つくと肩や腰に痛みが出ていることに気づく方もいらっしゃいます。
その中でも、今日はある日突然やってくる肩の痛みについてお話ししていきたいと思います。
ある日突然肩に痛みが走り、腕が上がらない。上着の袖に腕を通すのがひと苦労。気づいたら痛みで夜も眠れない…。その症状は四十肩・五十肩かもしれません。
「歳だからしょうがない」とあきらめていませんか?動かさずにじーっと我慢していませんか?放っておくと日常生活が不便になるばかりでなく関節周りが固まってしまうこともあります。
五十肩と四十肩何が違うの?
「四十肩」と「五十肩」は、実は同じものです。当初、50代で発症することが多いことから五十肩と呼ばれていたのが、40代で発症した人に配慮して四十肩とも呼ばれるようになりました。あまり耳にはしませんが六十肩も存在するそうです。いずれにせよ「四十肩・五十肩」は俗称で、医学的には「肩関節周囲炎」といい、肩関節まわりの筋肉や靭帯が炎症を起こす症状を指します。
なぜ四十肩、五十肩になるの?
四十肩・五十肩は、いつ・どこが痛むのでしょうか。ほとんどのケースでは、これといったきっかけがなく痛み始め、数週間から数カ月かけて悪化していきます。悪化するにつれ、肩を動かすときにピリッと刺すような痛みが走り、腕を上げたり背中に回す動作ができなくなるため、上着の脱ぎ着やブラジャーのつけ外し、洗濯物干し、シャンプーや洗顔ができないなど、日常生活に不便を感じるようになります。ピーク時には「夜間痛」といって、夜眠れないほどの激痛に襲われることも。こうなると日中、何もしなくても痛みがあり、痛みの範囲も、肩全体から腕までと広範囲に及びます。
肩こりとの違いは?
よく混同されるのですが、肩こりと四十肩・五十肩はまったく別のものです。見極めのポイントは、「肩を動かせるかどうか」。肩こりは四十肩・五十肩のように、肩が動かせなくなることはありません。痛みも、肩こりが鈍痛であるのに対し、四十肩・五十肩は鋭い痛みなのが特徴です。肩の痛みにはこれ以外にも20以上の疾患があり、中には「腱板断裂(けんばんだんれつ)」など、四十肩・五十肩と見分けがつきにくく見逃されている疾患も多くあります。痛みを感じたら、自分の症状がどれなのか見当をつけるところから始めましょう。
【四十肩・五十肩のセルフチェック】
次の動きがスムーズにできない人、痛みがある人は要注意!「四十肩・五十肩」の予備軍かもしれません。
1) 両腕を前から真上に上げる。
2) 手のひらを上に向け、両腕を真横から真上に上げる。
3) 両腕をズボンの後ろポケットに手を入れる。
4) 両腕を頭の後ろで組む。
スムーズにできない動作がある方は必見!最後に予防方法もお伝えします。
『四十肩・五十肩』の3つの病期
四十肩・五十肩には発症してから痛みが主な「急性期」、肩の可動域が狭まる「慢性期」、回復に向かう「回復期」と3つの病期があります。
急性期(およそ2週間から1カ月)
突然腕を動かしたときに肩に激痛が走るというのが、四十肩・五十肩の典型的な発症パターン。
この時期は夜に寝返りを打つだけで痛みを生じる「夜間痛」や、肩を動かす際に二の腕や手先にも痛みや痺れが伝わる場合もあります。こういった急激な痛みは数日間で治るのが一般的ですが、無理は禁物!安静が第一の大切な時期です。
慢性期(半年から1年)
急性期の痛みが治まってくると、鈍い痛みへと変わり、肩が上がり難くなるなど可動域がだんだんと狭くなってきます(肩関節拘縮)。これは急性期に起きた炎症の影響で、筋肉が委縮して固くなっているから。着替えや洗髪が上手くできないなどの日常生活に支障をきたす時期でもあります。慢性期は半年から1年続くこともあり、痛みを感じない程度の適度なストレッチも有効です。しかし、痛みが減ったからと言って無理をすると、痛みがぶり返すことがあるので要注意です。
回復期
肩関節拘縮(かたかんせつこうしゅく)が改善してきて、少しずつ腕が動かせるようになる大切な時期。痛みはほとんどありません。しかし、人によってはこの時期になっても「肩の動きが非常に悪い」ということも。適度なストレッチなどで、徐々に肩を動かしていきましょう。
痛みの緩和とケア方法
段階によって対処法が異なります。
急性期
三角巾やアームスリングを用い、できるだけ肩を使わないように安静にしましょう。痛みを感じるような動作は避けてください。
患部が熱を持っているようなら、氷水などで冷やして炎症を抑えます。
痛みがひどい場合は、鎮痛消炎成分インドメタシンなどが配合された外用薬や飲み薬も有効です。
慢性期
就寝前に入浴して肩を温めたり、ホットタオルを肩に広げて乗せて温めます。出来るだけ肩や体を冷やさないように注意しましょう。
血流をよくするストレッチなど、無理のない範囲での運動を続けましょう。
ただし、痛みがひどいときのストレッチは炎症を悪化させる可能性があり危険ですので控えてください。
※激しい肩の痛みは、四十肩・五十肩が原因ではない場合もありますので、早めに受診するようにしましょう。
回復期
痛みがほとんどなくなり、リハビリに最適な時期。ここで可動域を広げる運動を怠ると、四十肩・五十肩が治ったあとも肩関節の動ける範囲がだんだん狭くなってしまうこともありますので、ラジオ体操や簡単なストレッチなど、慢性期以上に肩を動かすことを意識して、しっかりリハビリを行いましょう。
※焦らずゆっくり治すことを考え、翌朝に痛みが残るような場合は、痛みが引くまで中止して下さい。
『四十肩・五十肩』を予防するには
四十肩・五十肩にならないために、以下のことに気を付けましょう。
デスクワークや家事など同じ姿勢の作業を長時間続けない
「筋肉が固くなる」といった筋肉の変化も炎症の原因にもなりえます。同じ姿勢を続けると筋肉が固まって動かしづらくなりますので、小休憩を入れて体を動かすようにしましょう。
ハイヒールや肩掛けバックなどで姿勢が崩れないようにする
姿勢の変化は炎症の要因にもなります。日常の繰り返し動作で姿勢が悪くなったり、体の一部に負荷がかかり過ぎないように気をつけましょう。
肩の適度なストレッチを心掛ける
使わない筋肉は固くなり、動きも悪くなるもの。ストレッチをすることで筋肉がほぐれ、血行も良くなります。
栄養バランスの良い食事と質の良い睡眠を取る
動物性の食品や甘い物、お酒を摂りすぎると四十肩・五十肩を起こしやすいと言われています。また、四十肩・五十肩の原因として、ホルモンバランスの変化やストレスといった間接的な原因が重なることで発症しやすくなるとも言われています。
肩を冷やすのもNG!夏場も薄着は避ける
冷えは血液の循環を悪くし、炎症の原因にもなります。夏もクーラーなどが意外と体が冷えるので、直接当たらないようにしましょう。